【第16課】授受動詞②(~てあげる/~てくれる/~てもらう)

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あげる、もらう、くれるの前に動詞のて形が接続される形です。

て形を覚えていない人のために、ここでざっと簡単にて形の復習をしました。

まずは練習。

【第16課】授受動詞②(~てあげる/~てくれる/~てもらう)2016年11月1日教案 今日は前回の授受動詞①に引き続いて、②の授業をしました。

 ”AさんはBさんにチョコをあげる”という「物の授受」をやったのが前回。

今回は物ではなく「動作の授受」についてです。

「~してあげる」「~してくれる」「~してもらう」等、て形が授受動詞の前につきますから難易度はやや高め。

日本人はよく使う言い方であるのにも関わらず、学生はあまり使ってくれないのが一つの難点なところ。

 まずは物の授受を復習します。

 お金でも携帯でも何でも良かったんですが、せっかくですから実際に学生の指輪を借りてやりました。

男女一人ずつ教壇に読んで、指輪を男の子から女の子へと渡させます。

このワンシーンは何も言わなくてもプロポーズだと分かってくれるので、教室中そのやり取りに釘付けになってくれます!  [ A ]は[ B ]に[ 物 ]をあげる。

 [ A ]は[ B ]に[ 物 ]をもらう。

 [ A ]は[ B ]に[ 物 ]をくれる。

 この3行を黒板に書いて、物の移動はAからB、BからAなのかを確認します。

同時に、もらうとくれるはどっちが嬉しいのかも確認しておきました。

 途中脱線して「テロリストは私たちに毒ガスをくれた」なんていう不謹慎な話題で盛り上がりました! 不謹慎ではありますが、まあ教室の中の出来事ですから楽しんでくれさえすれば関係ないと思ってます。

くれるを使うとより嬉しい感じがしますから、この文からは「死にたい」という感情あるいは強烈な皮肉を感じることができます。

そこらへんの説明はしませんでしたが、この文の奇妙さには言わずとも気付いていました。

 さて、ここまでやって予習は終わり。

その後は本日の内容ということで、上の3行をこのように書き換えます。

 [ A ]は[ B ]に[   ]を~てあげる。

 [ A ]は[ B ]に[   ]を~てもらう。

 [ A ]は[ B ]に[   ]を~てくれる。

   あげる、もらう、くれるの前に動詞のて形が接続される形です。

て形を覚えていない人のために、ここでざっと簡単にて形の復習をしました。

   まずは練習。

 「〇〇くん、ちょっと窓を開けて」と言います。

 開けてくれたら、「〇〇は私たちに窓を開けてあげました。

」「開けてくれました」「開けてもらいました」と言います。

つまり、ここでは”「窓を開ける」という動作を私たちにプレゼントした”と言い換えることができます。

このように説明すれば動作の授受は理解しやすくなりますね。

 窓以外にもいろんなことができます。

 教室を歩いてわざとお金を落とし、学生に拾わせる。

 → 学生は先生にお金を拾ってあげた。

 学生に「電気を消して」と言う。

 → 学生は先生に電気を消してくれた。

 携帯を教室の後ろに置いて、学生に持ってこさせる。

 → 私は学生に携帯を持って来てもらった。

 ※このパートでは尊敬語は扱いませんから、混乱を避けるためにも先生と学生の地位の差にはあえて触れません。

 直接誰かを指名して、「Aさんが頭が痛い。

Bさんどうする?」  「Aさんが授業の時教科書を忘れた。

Bさんどうする?」  「Aさんがとても家に帰りたいと言っている。

Bさんどうする?」と、架空の状況を想定して質問してあげてもよさそうです。

 そして今回のメインディッシュ。

 テーマは「つらいとき、友達に何をしてあげましたか? 友達は何をしてくれましたか?」です。

 一人ずつ過去の自分を思い返して例文を作ってもらいます。

 一番面白かったのは「私は前の彼女に”さよなら”と言ってあげる」でしたね!  恩恵表現である授受動詞ですから、「さよなら」をプレゼントするのは本来適切とは言えません。

しかし、別れていながらもどこか前向きな感じがするこの一文。

私が「詩人みたい」というとすごく喜んでくれましたね。

「その後彼女は何と言ったの?」「新しい彼女にはどう言ったの?」と更に更に聞いていくにつれて紅潮してくのが分かりましたね~。

 彼は2年生の心臓、いつも面白い例文を考えてくれます。

仲が良くなければこんないじりは決して出来なかったでしょう。

 というように例文を言ってくれたら、いつ? どうして? とさらに掘り下げて聞いてあげるスタイルで行くと間が持ちます。

このくらいのボリュームで100分。

毎回適当に雑談しながら授業運営してるんですが、なんか理想的な授業になって来た感じですね。

つまるところ、教案というのは授業中私と学生が会話をするためのツールでしかないんだと最近思えてきました。

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