識字率とは?日本の識字率が100%ではない理由と世界の ...

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日本では99%の識字率となっていますが、世界を見渡すと識字率の低い国も多く存在することが分かります。

ユニセフが発表した「世界子ども白書2019」(3)の ... HOMEジャーナルサスティナブル識字率とは?日本の識字率が100%ではない理由と世界... サスティナブル 識字率とは、文字の理解・読み書きができる人の割合のことです。

国や地域の教育水準を測るための1つの指標で、先進国ほど識字率は高いとされています。

  今回は、識字率が低いことで引き起こる問題やその原因について分かりやすく解説。

世界の識字率を知って、いま私たちができる支援について考えてみましょう。

  識字率の意味とは?   識字率とは、文字の読み書きや文章を理解できる能力がある人の割合のことです。

ユネスコでは、識字率を「日常生活の簡単な内容についての読み書きができる15歳以上の人口の割合」と定義づけています(1)。

現在、世界には7億7500万人の非識字者がいるとされており、その数はなんと日本人口の約7倍です。

  また、発展途上国ほど識字率が低く、先進国ほど識字率が高いことも問題視されています。

2015年の国連サミットで採択されたSDGsでも教育や識字率の問題は取り上げられました。

目標4の「質の高い教育をみんなに」は、男女関係なく全ての子どもが平等に質の高い教育を無料で受けられる環境づくりの目標です。

  勉強をする機会なく育ってしまった若者や大半の大人が読み書き・計算ができるようになる識字率アップも目標に含まれています。

SDGsの目標を達成することで、世界の識字率は高まるでしょう。

  (1)出典:ユネスコ・アジア文化センター「用語集」   日本の識字率が100%じゃないのはなぜ?   「世界子供白書2019(ユニセフ)」の統計では、日本の識字率は掲載されていません。

なぜなら、日本では識字率の調査が行われていないからです。

  日本では小学校・中学校に無料で通うことができるため、識字率100%だと考える人は多くいます。

しかし、日本の識字率は100%だとされていません。

  日本の識字率が100%じゃない理由は、戦中・戦後に子ども時代を過ごした世代の識字率が低いためと言われています。

現在は義務教育が行き届いているため、子どもや若年層に非識字者はほとんどいません。

  一方で、令和2年度の小学校の就学率が99.96%で、100%に満たない(2)ことも文部科学省の統計で分かっています。

もちろん小学校に通っていないからといって、文字の理解や読み書きができない非識字者なわけではありません。

  日本にも少なからず小学校に通っていない子どもがいて、100%の識字率でないことを理解しておきましょう。

  (2)出典:文部科学統計要覧(令和3年版)1.学校教育総括   ユニセフが発表した世界の識字率ランキング   日本では99%の識字率となっていますが、世界を見渡すと識字率の低い国も多く存在することが分かります。

ユニセフが発表した「世界子ども白書2019」(3)のデータから、世界の識字率ランキングを上位10カ国と日本、そして下位10カ国見てみましょう。

  順位 国 識字率 1 リヒテンシュタイン 100% 1 北朝鮮(2008年) 100% 1 ノルウェー 100% 1 バチカン市国 100% 1 フィンランド(2000年) 100% 1 ルクセンブルク(2000年) 100% 1 アンドラ 100% 1 グリーンランド(2001年) 100% 9 ラトビア(2011年) 99.8% 9 エストニア(2011年) 99.8% 9 キューバ(2011年) 99.8% 9 アゼルバイジャン(2010年) 99.8% 28 日本(2002年) 99.0% 世界平均 85.9% 208 ベナン(2010年) 42.4% 209 ギニア(2010年) 41.0% 210 エチオピア(2007年) 39.0% 211 ソマリア(2001年) 37.8% 212 チャド(2011年) 35.4% 213 マリ(2011年) 33.4% 214 ブルキナファソ(2007年) 28.7% 214 ニジェール(2005年) 28.7% 216 アフガニスタン(2000年) 28.1% 217 南スーダン(2009年) 27.0%   ヨーロッパ・中央アジアの国は100%、東アジア・太平洋諸国・ラテンアメリカ・カリブ海諸国は99%の識字率となっています。

  しかし、これだけ多くの国で識字率が高いにもかかわらず、世界全体の識字率は男性92%、女性88%と低いです。

なぜなら、後発発展途上国の識字率は、男性81%、女性73%と低いからです。

  統計を取った年が違ったり、統計の対象でない国もあったりしますが、識字率ワースト10か国では50%以上の人が非識字者です。

識字率が低い国には発展途上国ばかりで、貧困の悪循環となっています。

  次の章で発展途上国の抱える問題を確認し、教育の行き渡らない理由について知識を深めましょう。

  (3)出典:ユニセフ「世界子ども白書2019」 (4)出典:総務省統計局「世界の統計2021」   識字率が低いアフリカ地域や開発途上国が抱える問題・背景について   識字率の低い発展途上国の抱える問題を知れば、読み書きのできない子どもや大人が多い理由が分かります。

順番に見ていきましょう。

  教育を受ける学校がない   農村部や貧困地域には、教育を受けるための学校がありません。

  ユネスコによると、学校に行けない6~14歳の子どもが世界に約1億2100万人いる(5)とされています。

一番近い学校まで何時間も歩かなければならず、通学を諦める子どもは少なくありません。

また、学校があっても教える先生がいない問題もあります。

先生を育てる仕組みや先生に払う給料がない 農村地域に行きたいと手を上げる先生が少ない このような状況から、十分な教育を受けられる環境が整っていない国や地域があります。

  女性差別がある   「女性は勉強をするものではない」といった女性差別から教育を受けさせてもらえない国や地域も多いです。

こうした国や地域では、女性は早く結婚して子どもを産むもので、勉強よりも家事や家業を手伝うべきと考えられています。

  事実、多くの国において、女性の方が識字率が低いです。

伝統的な女性差別や習慣から、以下のような現状があります。

学校に女の子用のトイレがない 貧困のため男の子の兄弟が優先して学校に通わされる 女の子が受ける教育は最低限で良いといった価値観によって、勉強の機会が与えられません。

性別に関係なく、公平に勉強できる環境を作る必要があります。

  戦争・紛争が起きている   戦争や紛争のある地域では学校が閉鎖され、教育を受けられません。

もともと学校がった地域でも戦争や紛争によって壊されたり、避難が必要になったりすることも。

  なかには少年兵として軍隊に入れられ、教育を受けることが認められない国や地域もあります。

子ども時代を戦争・紛争で過ごした人は、成人になっても非識字者のままです。

  このように、発展途上国ならではの問題によって低い識字率が維持されてしまいます。

  (5)出典:ユネスコ「世界寺子屋運動について」   字の読み書きができないことで起きる問題   「識字率が低いままだとどうしてダメなの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

実は、文字の読み書きや文章を理解できないと、さまざまな問題が引き起こされます。

  識字率が低いことで起きる問題について見ていきましょう。

  生活に必要な正しい情報を得られない   文字を正しく理解できなければ、インターネットがあっても正しい情報を手に入れられません。

生活に必要な正しい情報が得られないままだと、以下のような問題を引き起こします。

予防接種など公的サービスを知らないまま正しく利用できない 選挙の情報が手に入らず投票できない・政治に参加できない 他の地域の暮らしを知らずに、いまの貧しい生活が当たり前だと思い込む 識字率が低いと、多くの人が正しい情報を得られません。

  詐欺や危険な目に遭う   文字が読めないと、情報があっても詐欺や危険な目に遭ってしまいます。

地雷や立ち入り禁止エリアなど警告が理解できない 正しく薬を服用できない 人から聞いた情報が正しいか判断できず詐欺に合う 識字率が低いことが原因で危険情報を逃してしまい、命を落とすことにもなりかねません。

  成人しても仕事を選べない   文字の読み書きができないことで安定した職業に就くことができず、貧困から抜け出す機会を失います。

文字が読めないと仕事に必要な技術や能力を身に付けられず、安定した仕事に就くことができません。

  文字を使わない仕事に限定されるため、単調な仕事や命の危険にさらされる仕事に就かざるを得ない人もいます。

つまり、識字率が低い国ほど貧困に陥ってしまいます。

  識字率が低いままだと、国における貧困の格差は埋まらないでしょう。

  世界の識字率を上げるために私たちができること   日本で暮らしていると識字率を気にする機会はほとんどありませんが、世界には教育を受けられずに育った人がたくさんいます。

  すべての子どもに教育の機会を与えて世界各国の識字率が向上するために、日本でもさまざまな取り組みが行われています。

一人でも多くの子どもに教育の機会が与えられるよう、識字率向上の取り組みに積極的に参加しましょう。

  ワールドビジョンの「チャイルド・スポンサーシップ」に参加する   ワールドビジョンでは、「チャイルド・スポンサーシップ」(6)を活用して世界の子どもたちを支援できます。

  支援金は、対象の子どもの教育や病気治療、地域の人々に対する教員研修、学校の設備への投資に使われ、識字率向上に繋がります。

  子どもたちが教育を受けたり、健やかに成長したりする姿は、手紙を通して知ることが可能です。

月4,500円、1日150円で、アジアやアフリカなど支援地域に暮らす0〜13歳の子どもに対して支援できます。

  ユネスコの「世界寺子屋運動」に参加する   日本ユネスコでは、「世界寺子屋運動」(7)の取り組みで以下のような研修や支援を行っています。

識字・基礎教育クラス 学びの場づくり 復学支援クラス 教員、寺子屋運営者の研修職f業訓練 カンボジアやミャンマー、アフガニスタンなど識字率の低い国や地域が支援対象です。

現金の寄付以外にも、以下のようなもので支援できます。

書きそんじハガキ 未使用の切手 商品券・図書券・プリペイドカードなどの金券 クレジットカードなどのポイントマイレージ寄付 身近なものが子ども達の識字率向上の支援に繋がります。

  ユニセフに募金をする   ユニセフに募金すれば、世界の子どもの命と権利を守るための支援ができます(8)。

教育をはじめ、保健、栄養、緊急支援、アドボカシー、暴力・搾取からの保護などの活動は、全て募金によって賄われているためです。

  募金の目安が分からない人は、以下の支援物資の費用を確認しましょう。

  支援物資 金額 子ども用の鉛筆10本とノート10冊 381円 クレヨン10ボックスとスケッチブック10冊 368円 スクール・イン・ア・バッグ (生徒40人分と先生一人分の基本的な学用品のセット) 6,990円 たとえば、「スクール・イン・ア・バッグ3つ分を」と思うなら、21,000円程度の募金が目安です。

自分にできる範囲で識字率向上の取り組みに参加しましょう。

  (6)出典:ワールドビジョン「チャイルド・スポンサーシップ (7)出典:日本ユネスコ「世界寺子屋運動」 (8)出典:ユニセフ「募金・支援」   さいごに。

世界の子どもたちに公平な教育を受けさせるために   識字率とは、文字の読み書きや文章を理解できる能力のことです。

発展途上国ほど識字率が低く、危険な目にあったり仕事が選べなかったりする課題を抱えています。

  読み書きや文章の理解できることは、識字率の高い日本では当たり前のことです。

しかし、文字が理解できずに苦しんでいる非識字者が世界にたくさんいます。

  識字率を向上させるために、私たちにできることから始めましょう。

#学び #持続可能な社会 #格差社会         ライター:MaiYasumochi すべての人や動物、植物が笑顔になれる世界を目指して、日々執筆。

日常のエシカルな選択や情報発信がサスティナブルな地球を創ると信じています。

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